令和3年度尾瀬保護財団の主な事業

実施方針

 尾瀬の自然環境及び利用の現況並びに財団のこれまでの取り組みの経緯等を踏まえ、尾瀬の保護とその適正利用を推進する。推進に際し、今後の尾瀬及び財団のあるべき姿を展望した上で、尾瀬関係者と緊密に連携し、次に掲げる事項を重点目標として事業を実施する。
 また、事業の実施にあたっては、新型コロナウイルスと共存するニューノーマルにおける感染防止対策を徹底する。

重点目標

  • 1. 尾瀬の適正利用の推進(利用分散化等)
  • 2. 尾瀬の保全対策の推進(至仏山保全対策、外来植物対策)
  • 3. 尾瀬を活用した質の高い環境学習の推進
  • 4. 普及啓発の推進
  • 5. 尾瀬総合学術調査の推進
  • 6. 事業推進体制の強化
  • 7. 人材育成の推進
  • 8. 財政基盤の強化

事業計画

1.利用者啓発事業

尾瀬の適正利用を進めるため、入山者に対し、尾瀬にふさわしい利用マナーの啓発を行うとともに、繊細で貴重な尾瀬の自然について理解を深めるための自然解説等を行う。

①入山者啓発事業

入山口啓発

尾瀬の環境美化や入山マナーの向上を図るため、主要入山口(鳩待峠口・沼山峠口・大清水口・滝沢口・馬坂峠口・猿倉口)において、尾瀬ボランティアの協力の下に、入山マナーの啓発、利用案内などを行うとともに、関係自治体や山小屋組合、支援企業等と連携しながら、ごみの持ち帰り運動等を実施する。

尾瀬ボランティアの活動支援

主要入山口での啓発活動、お話しボランティア(定点解説)など、ボランティア活動の充実強化を図るため、活動の調整を行うとともに、尾瀬ボランティアの資質向上を目的とした研修会等を開催する。また新たな活動を追加し活動の幅を広げることで、ボランティア活動の活性化を図る。

ガイド利用の普及・促進

入山マナーの向上、質の高い自然体験、安全確保等を図るため、ガイド利用の普及・促進を図る。

● 尾瀬ガイド協会との連携
ガイド利用による自然体験やエコツアーなどを通して、尾瀬の自然環境の保全と適正利用を図るため、尾瀬ガイド協会の運営を受託し連携するとともに、今後の協会の自主運営に向けた支援を行う。


● 尾瀬自然解説ガイド
ガイド利用の魅力、有用性等を利用者に啓発し、その普及を図るため、来訪者に対して、尾瀬自然解説ガイド(尾瀬ボランティアを母体とする)によるガイド活用をより積極的にPRする。


②自然解説事業

自然解説事業

利用者が尾瀬の貴重な自然について認識を深め、適正利用を促進することを目的として、自然解説活動を実施する。

環境学習推進事業

「環境学習の場」としての尾瀬の利用促進を図るため、山の鼻ビジターセンターでミニツアーを実施するほか、現地情報や学校の利用状況についてインターネットや携帯サイトで情報発信を行う。


③研修事業

指導者の養成

職員の資質向上を図り、指導者として養成するため、各種研修会に派遣する。

職員研修の実施

円滑な業務運営を図るため、職員を対象に、業務内容及び国立公園制度などの研修を実施し、職員のスキルアップと体制の強化を図る。加えて、ビジターセンターに勤務する職員には、自然解説技術、ガイド技術などの研修を実施する。

救急救命研修

山岳事故が増える中で、入山者の安全・安心を確保するため、現地に勤務する全職員を対象に応急手当、体外式除細動器(AED)操作訓練等の救急救命研修を実施する。


④普及啓発事業

機関誌の発行

四季折々の自然、財団の活動状況、その他尾瀬に関する幅広い情報を関係者や尾瀬ボランティア、友の会会員等に提供するため、機関誌「はるかな尾瀬」を引き続き刊行する。

「わたしの尾瀬」フォトコンテスト、写真展等の開催

尾瀬の魅力を広く一般に伝えるため、NHK前橋放送局等と共催でフォトコンテストを実施するとともに、その入選作品の写真展を開催する。
(令和4年度以降、NHKからの支援が縮小される見込であるため、令和3年度中に今後のあり方を検討)

啓発リーフレット等の作成・配布

入山口や利用日など利用分散化の推進を図るため、尾瀬地域の交通対策等のリーフレットを作成し、関係機関・団体及び入山者等に配布する。また、尾瀬国立公園案内マップの日本語版増刷に併せて、インバウンドの回復状況を注視しながら外国語版(簡体字・韓国語)の改訂増刷を行い、外国人入山者に対する啓発効果を高める。

ホームページの管理運営

尾瀬の保護と適正利用を推進するとともに、財団の活動を周知するため、ホームページやInstagramを活用し、タイムリーな尾瀬情報や財団の活動等の情報を発信する。

尾瀬の魅力発信事業

尾瀬の魅力発信や利用促進を進めるため、尾瀬キャラバンを開催し、尾瀬関係自治体や観光協会等と合同で旅行エージェント等を訪問するほか、各種観光イベント等に職員を積極的に派遣する。

出張講演

行政機関、教育機関、旅行業者等が主催する講演会等への出張講演に積極的に対応し、 尾瀬の貴重な自然や適正利用の推進などのレクチャーを通じて、尾瀬国立公園のすばらしさと大切さを広く一般の方々に広報していく。

動画スタジオ活用

群馬県と連携して動画スタジオ等を活用し、動画による尾瀬の魅力発信に努める。

モニターツアー

群馬県立女子大学・学部生へのアンケート及びグループインタビューを踏まえ、モニターツアーを実施し内容を検証するとともに、若者向け施策の検討を行う。


2.環境保全事業

植生復元事業

福島県及び群馬県から業務を受託し、植生回復及び保全事業を実施する。

至仏山保全対策

至仏山保全対策会議を活用し、至仏山保全基本計画に基いて植生保護や利用の適正管理などの、貴重な自然を保全していくための各種対策を検討し実施する。

尾瀬シカ対策事業

林野庁が大江湿原で実施している防鹿柵の設置・撤去作業を、尾瀬ボランティアや企業の協力を仰ぎながら南会津尾瀬ニホンジカ対策協議会の一員として実施するとともに、他の地区での実施も検討する。

シカ柵設置等作業・地区拡大
尾瀬ボランティア及び企業等によるシカ柵設置・撤去の作業について、新たに尾瀬植物研究見本園等で実施する。<技術的・人的支援>

外来植物対策事業

尾瀬での外来植物の増殖を防ぐため、現地調査により外来植物の分布状況の把握を行い、関係機関と連携して除去作業を行う。

重点実施地区への対応
これまでの除去作業の取組を検証し、効果が高いと判断される箇所は継続観察等とする一方、効果が低いと判断される箇所は重点実施地区として複数回の除去作業を計画するなど、実効性の高い対策に取り組む。


3. 施設管理事業

入山者の安全・快適な利用を図るため、環境省及び群馬県から管理運営業務を受託し、公園施設の維持管理を行う。

ビジターセンターの管理運営

尾瀬沼ビジターセンター(環境省)及び尾瀬山の鼻ビジターセンター(群馬県)の管理運営を行う。

ドローン活用
令和2年度に購入し、職員が講習を受講したドローンについて、引き続き啓発用動画等の素材を収集するとともに、尾瀬沼、尾瀬山の鼻の両ビジターセンター管理運営に活用し、効率化及び充実を図る。

公衆トイレの維持管理

尾瀬沼地区、山ノ鼻地区、竜宮地区の公衆トイレの維持管理を行う。


4. 調査研究事業

尾瀬総合学術調査推進事業

調査主体である第4次尾瀬総合学術調査団を事務局として支えながら、平成29年度から令和2年度に実施した調査の結果を踏まえ、報告書をまとめる。

適正利用推進事業

平成30年度に策定された「新・尾瀬ビジョン」を踏まえながら、財団においてもその実現に向けて主体的に取り組む。また、環境省から業務を受託し、「新・尾瀬ビジョン」に基づく取り組みについて、関係機関と連携しながら推進する。

更なる適正利用推進
令和3年度から、環境省において尾瀬利用に関するアクションプランを策定予定であるため、適切に連携し、更なる適正利用推進を図る。また、利用者調査を実施し、満足度等についての情報収集を行う。

  • 新・尾瀬ビジョン
  • ツキノワグマ対策事業

    ツキノワグマ対策については「尾瀬国立公園ツキノワグマ対策協議会」の運営を行うとともに、入山者に対する啓発等について関係者とともに取り組む。

    ツキノワグマ対策の拡充
    令和2年度に主に山ノ鼻地区で目撃が多発した状況を踏まえ、関係者とともにさらなる効果的な対策の実施を検討する。


5.顕彰事業

令和4年度以降の尾瀬賞について、尾瀬賞検討委員会及び検討部会において、尾瀬に関する若手研究者の育成や尾瀬研究の活性化につながるよう募集に向けた詳細の検討を行う。


6.友の会等事業

財団活動に対する支援を幅広く求めるため、特典の拡充を検討し、会員の増加に努める。


7.寄付金の募集

財団事業の充実と財政基盤の強化を図るとともに、尾瀬に対する幅広い支援を求めるため、公益財団法人への寄附税制の優遇措置制度を活用し、企業・団体等に対し積極的に寄付を募る。


8.関係者連携対策

尾瀬サミット2021の開催

財団役員をはじめ尾瀬関係者が一堂に会し、尾瀬に関する課題等について話し合うため、 「尾瀬サミット2021」を開催する。
・開催予定時期:令和3年9月1日(水)~9月2日(木)(予定)
・開催予定場所:群馬県片品村
・議長当番県:群馬県
・テーマ:「みんなで守る」(新・尾瀬ビジョン行動理念のひとつ)


9.財団の運営

評議員会の開催

事業報告、決算の承認、その他重要事項等について審議を行うため、定時評議員会を6月に開催するほか、必要に応じ、臨時評議員会を開催する。

理事会の開催

事業計画、予算など業務執行の決定、その他重要事項等について審議を行うため、定時理事会を6月と3月に開催するほか、必要に応じ、臨時理事会を開催する。


10.その他

受託事業の活用

財団の活動を充実させるため、国や各自治体などからの尾瀬にかかわる委託事業を積極的に受託する。

助成金の活用

財団の活動財源を安定的に確保するため、事業内容に応じて助成金の積極的な活用を図る。

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