尾瀬保護財団

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秘話 その14 「目標は長生き!80歳まで頑張ります」

尾瀬ヶ原や尾瀬沼から離れ、清流と原生林に囲まれた渋沢温泉小屋は、知る人ぞ知る尾瀬の隠れ宿です。今年からこの山小屋が、長年に渡ってきりもりしてきた星登さんから、森聖(もり ひじり)さんへと受け継がれました。今回はシーズン終盤となった紅葉の渋沢を訪ね、森さんに最初のシーズンの感想やこれからを伺いました。

森 聖

渋沢温泉小屋
森 聖
Hijiri Mori

本当の山深さを感じて
新たな山小屋主に引き継がれた渋沢温泉小屋新たな山小屋主に引き継がれた渋沢温泉小屋

「私は昨年まで北アルプスの山小屋で働いていました。登山が好きで、会社員時代に自分の名前と同じ山名を持つ『聖岳(ひじりだけ)』に登ってみたい、聖岳に近い場所で働きたいと思ったことがきっかけですかね」と、森さんは小春日和の暖かな日差しが照らす渋沢温泉小屋で話し始めてくれました。
「北アルプスでは10年間勤めましたが、環境も体力的にも厳しい稜線上の山小屋ではあと10年くらいしか活動できないと感じていました。そんな時に知り合いから渋沢温泉小屋の事を聞き、まずは見に行こうと思いました。一昨年前に登さんとこの小屋に来たのが初めての尾瀬です」と素朴な人柄がにじみ出る話し方で、きっかけを話してくれました。
その時の印象を伺うと、「周囲は明るい森に包まれ、きれいな沢がすぐ横を流れていて良い場所でした。北アルプスと異なり、水も豊富で温泉もある。四季を通じて自然の恵みを受け取ることのできる本当の山深さがある事を感じました」と森さん。じつは自然よりも、もっと魅力的に感じたのが先代の星登・光子夫妻のたちふるまいだったそうです。「登さんが菅笠をかぶり、洗濯物を干している様子を見て、日本の原風景がここにあると感じました。余計な物は持ち込まず、ある物を大切に使うというシンプルな生活に惹きつけられました」

先代が残したものを大切に
森さんが「大切にしている」小屋の夕食森さんが「大切にしている」小屋の夕食

最初の尾瀬シーズンが終わった森さんに、その感想を伺いました。
「今シーズンは先代の登さん光子さんを始め、たくさんの人に助けていただいて、無事に小屋閉めを迎えられ感謝しています。自分なりに考えた今シーズンの目標は、先代のやっていた事をまずはやってみることでした。北アルプスとは立地が違うので、そこでの経験を持ち込んでも上手くいきません。山小屋を維持し、先代が大切にしていた料理と宿泊を最優先しています。また時間があれば登山道の維持にも出掛けています。山小屋への道は決して歩きやすいとは言えませんが、この場所の雰囲気を大切にし、この感じが好きな方に来てもらえればと思います」と先代が残したものを大切にしたいという思いが感じられました。

長く山小屋をやりたい
渋沢温泉小屋から徒歩40分で渋沢大滝に着く渋沢温泉小屋から徒歩40分で渋沢大滝に着く

渋沢温泉小屋のこれからについて伺いました。「先代と同様に80代まで働きたいですね。長く山小屋をやる秘訣は長生きすることですよね。余計な物を入れず、昔ながらの事を大切に、シンプルな生活と山小屋運営を続けたいですね。この場所の良さとともに、楽しさも伝えられたらと思います」と、この場所と山小屋を好きになった森さんならではの話が印象的でした。

渋沢温泉小屋 データ

小屋主の森さん小屋主の森さん

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