尾瀬保護財団

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秘話 その5 「ゆったりのんびりがモットーの山小屋」

尾瀬ヶ原西端の見晴地区で、山小屋「原の小屋」と喫茶店を経営する星菊芳さん。
「ゆったりのんびり」をモットーに、くつろぎの空間を提供する星さんのお話を伺った。

星 菊芳

原の小屋
星 菊芳
Kikuyoshi Hoshi

夏休みの思い出
レンゲツツジ咲く、原の小屋(現在)レンゲツツジ咲く、原の小屋(現在)

尾瀬ヶ原東端にある見晴地区は、6軒の山小屋が建ち並び、シーズン中には多くの登山者が訪れる活気あふれた場所です。今回はそんな見晴地区で、山小屋と喫茶店を経営し、ほっと一息つける空間を提供している、原の小屋の星菊芳・幸代ご夫妻にお話を伺いました。
「この小屋は私の父・幸徳が昭和33年に建てたのがはじまりです。父は尾瀬沼の沼尻でそば屋を経営していましたが、当時は尾瀬登山者が多くなってきた頃でしたから、見晴での山小屋経営を始めたようです」今年の尾瀬シーズンを間近に控えた星さんが話し始めてくれました。
「山小屋経営が始まった頃は私も小学生でしたから、夏休みになると尾瀬へ上がりました。ちょうど同級生の両親も見晴で山小屋をやっていたので、一緒に魚釣りをしたり、一日がかりでアヤメ平へハイキングをしたりして過ごしました」

忙しかった山小屋仕事

高校生くらいから山小屋で働くようになった星さん。本格的に小屋を切り盛りするようになったのは高校卒業と同時だった。
「父が高齢だったこともあり、卒業と同時に山小屋に入ることを決めていました」と星さん。
「当時は長期保存の利く食料や、すぐに暖まる石油ファンヒーターのような便利な物はなく、すべてを自分たちで作らなくてはいけない時代でした。小屋に宿泊される方も多く、朝早くから夜遅くまで働きづめの毎日でした。私たちはともかく、畳1枚に2人で寝ていただく状況だったお客様は大変だったでしょうね」と話す星さん。

こだわりの有機野菜

ある登山者からこの小屋の魅力は静かな雰囲気と、美味しい料理だと聞いたことがあった。料理にはどんな工夫がされているのだろうか。
「私たち夫婦はヘルシー志向なんです。小屋にお泊まりになる方の大半が中高年者で、健康にも気を使っていると思うのですが、私たちは自宅がある檜枝岐村に畑を持ち、有機野菜を作って、小屋の食事としてお出ししています。山小屋で出た生ゴミは処理機にかけ堆肥として畑に戻しています。冷涼な気候の檜枝岐村では美味しい野菜が採れると評判ですが、中でもジャガイモの味には自信がありますよ」とこだわりの野菜作りについて、横で聞いていた奥様が嬉しそうに話してくれた。

ゆったりのんびりを大切に
星さんご夫妻と孫の美里ちゃん星さんご夫妻と孫の美里ちゃん

今年は星さんが小屋主となって40年目。精神的な余裕が山小屋の雰囲気作りにも役立っているという。
「以前は時間も余裕も無かったのですが、今では何気ない会話から始まる、家族的なお付き合いを大切にしたいと考えています。自分に無理を掛けると、どこかに無茶が出てしまいますから、私たちがゆっくりのんびりを実践し、サービス向上を心がけています」
ゆっくりと流れるような尾瀬の時間。そんな流れに身を置いているような星さんご夫妻。最後に登山者へのメッセージを伺った。
「出来るだけ静かな日を選んで、ゆっくりと歩いてもらいたいですね。尾瀬内に宿泊し、神秘的な朝霧・夕焼けの景色や、降ってくるような満天の星空を見ていただきたいです。決して他では見ることの出来ない本物の自然があります。そういえば早朝の野鳥の声の多さにもびっくりすると思いますよ。私たちもフロントに野鳥図鑑をおいて勉強中です」と星さんご夫妻が顔を見合わせ、微笑みながら話してくれました。
いよいよ今年も始まった尾瀬シーズン。いつもよりゆっくりのんびりとした計画で、原の小屋を訪ねてみてはいかがでしょうか。

原の小屋 データ

原の小屋

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