尾瀬保護財団

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第11回尾瀬フォーラムを開催しました

尾瀬国立公園が29番目の国立公園として誕生し、これまで以上に自然保護の精神と適正な利用を進めることが必要とされている中で、みんなの尾瀬をみんなで考えるために、平成21年12月18日(金)に第11回尾瀬フォーラムを高崎シティギャラリーで開催しました。
今回のテーマは、”美しい至仏山を未来に残すために~至仏山保全対策を考える”です。数々の貴重な高山植物や圧倒的な眺望など、至仏山の魅力は数え上げることができません。しかし、至仏山は長年の利用の影響などにより登山道周辺を中心に荒廃が進み、これまでも様々な保全対策が行われてきました。至仏山の美しさの背後にある自然の特徴や、至仏山で実施されている保全対策の経過やその内容を知り、至仏山に関する疑問を解消しながら、至仏山を守るために大切なことを理解していただくために、今フォーラムを開催しました。
まず、東京学芸大学教育学部教授で、至仏山環境調査専門委員会委員長の小泉武栄先生に「名峰至仏山 その特異性と美しさ」と題して講演をしていただきました。至仏山の自然の美しさや魅力は、至仏山が主に蛇紋岩によって成り立っていることや、残雪の影響を受けた植生分布から生まれていることなどをお話いただきました。特に興味深かったのは、東面登山道の森林限界の話です。東面登山道の森林限界は、気象条件から推定されるよりも700mほど低い1650m付近ですが、その特徴は約2万年前の最終氷期に基盤の蛇紋岩が凍結破砕作用を受けて大きく割れ生産された岩塊斜面の影響によるもので、岩塊斜面の末端がちょうど森林限界になっているということです。森林限界より上では、蛇紋岩が持つ有毒な金属の影響を受けない低木林が生育しているそうです。
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(小泉先生による講演会のようす)
次に、尾瀬保護財団の笛田事務局長からは、これまでの至仏山の保全対策の経過や現在取り組まれている対策の内容についての報告がされました。
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(笛田事務局長による報告のようす)
その後、日本自然保護協会の横山隆一さんより、平成15年から2年間、至仏山の自然環境を科学的に把握するために実施された「至仏山環境共生推進計画調査」の結果概要が報告されました。報告では、植生分野、地生態分野、利用動態分野でそれぞれわかったことを整理した上で、登山道が荒廃するメカニズムや、それぞれの箇所に応じた保全対策が必要であることなどが説明されました。
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(横山さんによる報告のようす)
また、会場との意見交換会では、今年度から実施されている環境調査に対する質問、至仏山保全対策に関する情報提供のあり方に関する意見、鳩待峠からオヤマ沢田代間の登山道の洗堀への対策に関する質問などが会場の皆さんからありました。各質問へは、登壇した至仏山の保全対策に係わる関係者が、現在の実施している対策の内容や、今後の予定などを説明しました。
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(会場との意見交換会のようす)
今回の尾瀬フォーラムをきっかけに、関係者や登山者の皆さんと協力しながら、至仏山の保全対策を推進していけるよう努めていきます。



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