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  • 尾瀬沼ビジターセンターブログ
  • 2021.08.17

2021年8月17日-尾瀬沼ビジターセンターより(山霧と尾瀬の生きものたち)

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尾瀬への入山にあたってはこちらの注意事項をご確認ください。
また、環境省尾瀬沼ビジターセンターは、基本的な感染予防対策を実施したうえで、一部開館しています。
詳細はこちらをご覧ください。
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■天気:雨のち曇り
■気温:14.7℃(9時)18.3℃(昨日の最高気温)12.8℃(今日の最低気温)

朝から濃い霧が立ちこめております。

小雨が少し強くなると霧は晴れ、また弱まると霧が立ちこめます。
誰もいない木道で立ち尽くしていると、
「いつもの尾瀬沼なのに何か違う。別の場所ではないか」
と不思議な気分になります。

【霧に包まれる大江湿原-イワショウブの群落が広がる-】

霧が出てくるといつもとは違う生きものの様子も見られます。
気温が高く暑い日には姿を見せなかった「ダイセンヤマナメクジ」が顔を出し、
空を飛び交っていたトンボも霧雨に濡れてじっとしています。

【木道から現れたダイセンヤマナメクジ】

【霧雨に濡れてじっとしているトンボ】

運が良ければ「ホンドオコジョ」がでてくるかもしれない、
と木道をのぞいてみましたが、姿は見えませんでした。

【オコジョが目撃された第一大江橋】

【ホンドオコジョ-尾瀬沼VC職員撮影・2020年夏・第一大江橋にて-】

尾瀬沼ビジターセンターの窓口や展示室で、
「オコジョはどこにいますか?」「どういうときに会えますか?」
という質問をよくいただきます。

尾瀬で勤務している個人の経験からでは、
霧の日や天気の変わり目のときに
ホンドオコジョを見かけることが多かったです。

【霧の中で現れたオコジョ-2014年7月3日会津駒ヶ岳にて-】
*赤い丸で囲んだところにホンドオコジョがいます。

せっかく来たのに天気が悪くてショックだなと思っても、
実はオコジョに会えるチャンスがあるかもしれないと考えると
少しワクワクするような楽しい気分になるかもしれません・・・。

一見かわいらしいこのホンドオコジョですが、
昔は「山の神の使い」と呼ばれ、恐れられていたと言うエピソードもあります。

主にこの言い伝えが残っているのは群馬県、長野県、山梨県。

「山仕事の途中で出会うと、その日は怪我をするから仕事を止めて帰る」
「猟をしている時に出会うと、一日中獲物が捕れない」というもの。

群馬県安中市松井田町では
オコジョは山の神十二神の使いであり、
山の神が好きなオコゼ(魚)の干物を「オコジョ」と呼び、
これを山の神に供えるという言い伝えもあります。

限られた生息域、山奥に生息し滅多に見られない生きものであることから
このような伝説が生まれたのかもしれません。

「ツバメが低く飛ぶと雨が降る」など
昔の人々は身近な生きものの姿を見ながら、
複雑に変わる天気を予測し生活に生かしてきました。

そして、尾瀬の自然の中で生きる動物たちは敏感にその変化を感じ取り、
行動しているように感じます。

自然から離れて、安全な屋内で生活している現代の私達には
なかなか変化に気づくのが遅く、感じ取りにくいのかもしれません。

尾瀬をはじめ自然の中に身を置いた際は、
ぜひ五感と心を大きく開いて微かな変化を感じてください。
いつもとは違う新しいものが見えてくるはずです。

最後に、最近の尾瀬はぐっと気温が下がり肌寒くなっております。
今日のように天候が悪い日は15度以下にもなりますので、
防寒着や雨具などを忘れずにお持ちください。

*体調に不安のある方や自ら安全確保を行うことが難しい方の尾瀬への入山は控えましょう。
 くれぐれも慎重な判断をお願いいたします。

尾瀬沼ビジターセンター

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